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マリオ物語番外編②

三年が経った
儀式も終えた俺は、一族の一員として平穏に過ごしている。
そう周囲に見えるよう振る舞ってきた

あの時、彼女は俺を突き放した。俺の手は間に合った筈だったが、彼女は分かっていたのだ。
あそこで俺が庇ったところで、何も変わらない。その場しのぎになるだけだ。俺がやられ、その後彼女もやられる。
ならば、せめて、被害は自分だけで……そう、判断したのだ。
理屈は分かる。しかし
「何故…命乞いしないんだ…」
思い出す、今でも夢に見る、俺を突き放した後の、彼女の笑顔も、その後に放った一言も。
「私を連れ出してくれて、ありがとう」
ありがたいわけがないだろう…あんな生かされ方をして、あんな幕の閉じ方をして、悔いが無いわけがない
何故、もっと生きたいと、懇願しなかったのだ。何故、そう簡単に、自分を最優先に犠牲に出来たのだ。
……分かってる、懇願したところで、あの時の俺に、彼女を助ける力はなかった。
「俺が殺したんだ……」
彼女を連れ出さなければ、無事と呼べるかは分からないが、殺される事はなかったろう。
俺の行動が彼女を殺した。その自責の念が、この三年、俺を動かしていた。
一族の死体の山に囲まれながら、俺は思い出に耽っていた

「た、頼む…命だけは…何でもする!だから命だけは…!」
聞き飽きた。
お前らも彼女の尊さを少しでも見習え。お前らが作った掟に、彼女がどれだけ苦しんでたか、知ってから死ね。
俺は持っていた槍で族長の顔面を突き刺した。
これで、一人を除く全ての部族は死んだ。

「……どういう……事だ……」


狩りを終えたその男が戻ってきた。その手に、三年前に彼女を殺した槍と、今日の食糧になる筈だった獲物を携えながら。

「待ってた、三年間ずっとこの日を。一族総てを仕留めれる力を求めた。パスキア、お前を殺せる力を得る為に…」
「お前がやったのか…何故…いや…お前…その顔は…!?」
パスキアが俺の右目を見た。そこには、彼女と同じ傷があった筈だ。俺の過ちを、彼女を、忘れない為に自分でつけた、刺青が。


1_2016011218063932c.jpg




「これがどうかしたか?」
「何てことだ…忌み子の災いがこれ程までに強力だったとは…!そうか、普段は赤子の状態で殺すが、あそこまで成長してしまっては、ただ仕留めるだけでは」
一人で喋り続けるパスキアを無視し、俺の槍がパスキアの胸を狙う、瞬間、奴も反応する。
「今日でこの一族は終わりだ。パスキア、お前を殺してな。」
「終わらん…私が終わらせない…だが、先ずは災いの浄化が必要だな。貴様の命如な…」
奴が槍を構える。俺はこの三年で力をつけたが、無論それは奴も同じだろう。
俺は一気に距離を詰め、槍を奴の正中線に向かい突き出す。それに合わせ、奴は体を反り、正中線をずらしつつ、俺の槍を左手で振り払う。
そのまま右手に持った槍で、俺の首を性格に狙った。
瞬間、俺の血が視界に飛び散る。一瞬の出来事だった。

「……馬鹿な……」

何が起きたか分からない、という顔で、パスキアが俺を見る。
あと僅かでも槍が動けば、俺は致命傷になっていただろう。
だが、動かなかった。俺は手の甲と顎で奴の槍を挟んでいた。その力のみで、奴を縛り付けていた。
「こんな……ぐっ……!」
焦って奴の力が緩む。それを見計らい、俺はそのまま槍を挟んでいた手を上空に振りかざした。同時に、奴の槍が、奴の手から離れていった。
「………」
「これで武器はなくなったわけだが…どうする?」
「……降参だ……」
その言葉を聞き、俺は、持っていた槍で、奴の胸を突き刺した。


腐った部族は、これで終わりを迎えた。
唯一の生き残りである俺は、どうしよう、どうすればいい。教えてくれ……
そういえば、彼女の名前すら俺は知らなかった。記憶の中の彼女とのやり取りだけが、俺を支えていた。
「神様って、いると思います?」
いない、俺はそう即答した。現に、君は救われなかった。
「悪いことがあれば、良い事も同様にあるんです。」
無垢な目で彼女はそう信じていた。本気で

………

「俺が、作ろう。そんな世界を……」
あまりにも勘違いした思い上がりだが、なれるものならなってみせる。
方法も可能かすらも分からないが、生き続ける意味を見つける事に必死だった俺は、彼女の信じた世界を目指す事にした。
俺が世界を監視して、管理する。
悪は必要だ。彼女をあんな目に合わせた奴らを報復する為の悪が。
善も必要だ。彼女のような人間が、救われる為の善が。
悪と善を、俺が統制する。どれだけ時間が必要かは分からないが、俺は生きるために、それを求める事にした。

しかし


数百年後、彼は、自身が呪われた一族の一員だという事を、身を以て知る事になる。

ある配管工と出会う事で……
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コメント

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No title

おあー挿絵! イケメン!!
管理人は女子の方だと思っていたらこっちだったというびっくり。

Re: No title

> おあー挿絵! イケメン!!
> 管理人は女子の方だと思っていたらこっちだったというびっくり。
いわゆるミスリードってやつや
管理人が最後のマリオとの対談で言ってた、自らを迷わず犠牲に出来た人間というのが彼女の方や。
そして初代のエピソードはこれで終わり、他のを書くかは、未定でござる。

No title

結構長い話になるかとおもいきや意外と短かったでござるwwwww
まだ書く奴あるんやったら読みたいな。わっふるわっふる!

Re: No title

そりゃあ番外編だからこんなもんぜよ
でも漫画にしたらこれでも数十ページはいくから、とても気軽に描ける量じゃあないんじゃけえ。

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やん

Author:やん
正体不明のイタリヤン





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